武者のぼり旗をチュニックへリメイクしました。 色合いの派手さを抑えるために柿渋で染色して鉄媒染しています。 周りの視線を惹きつける個性的で素敵なお洋服です。
武者のぼりは主に甲州、中部、九州地方などで5月の節句に立てられます。 少子化、住宅事情で年々数が少なくなり高価なリメイク素材になっています。
柿渋染めは、その昔は酒袋を染めたり、番傘に塗ったりしていました。柿渋で染めると生地が強くなる上、
柿渋の中にある「柿タンニン」には 消臭・防腐・抗菌の効果があります。 着込むほどに柿渋の風合いが増していく素敵なお洋服です。
柿渋は鉄に反応して黒く変化します。 柿渋染めの最後の水洗いの段階で鉄媒染液に浸して変色させたのが鉄媒染です。 柿渋染の濃度と媒染剤の濃度によって、灰色からダークブラウン・黒色までを表現できます。 鉄媒染めと、柿渋染の渋い色合いで古布ファンも納得の仕上がりですね♪
形はふんわりしたAラインの女性らしい可愛いシルエットです。 ゆったりサイズで気になるラインもカバーし楽な着心地♪ スッポリかぶれるデザインで、どなたにも気軽にお召し頂けます。
使用した幟旗は勇壮な「武者絵幟」ではなく、波に鶴が描かれた「節句幟」です。 子どもの成長と長寿を願う縁起の良い幟旗です。
派手な色彩の武者のぼりのリメイク服が苦手な方にも抵抗無くお召しいただけます。 時代的にはかなり昔の古布ですが生地はしっかりしています。 綿素材ですのでお手入れも簡単♪ 着丈は86cm。
これ一枚でも、パンツやスカートにも合わせて頂けます。 着まわし力抜群です。 珍しい旗の絵柄を生かしたかったので裁断も布の切り替えも最低限にしました。
前は波の絵柄を取りました。左裾に二羽の鶴が出ています。
後はアクセントに家紋を背中に入れました。 家紋は丸に桔梗紋。 家紋部分は白無地ですので柿渋と鉄媒色の色が良く出ています。 前後のデザインのギャップがとても楽しいです。
衿はスタンドカラー。衿幅は短い部分で8cm〜長い部分で9.5cmです。
右脇にポケットを付けています。 絵柄を活かしたかったのでパッチポケットではなく脇ポケットにしています。
大きさは口幅27cm×深さ16cmです。
袖は長い期間着ていただけるように半袖にしました。 裏無しになっていますが生地がしっかりしていますので暖かい季節は中に半袖Tシャツ1枚で、肌寒い季節は中に長袖のTシャツや薄手のセーターを着て長い期間着ていただけるチュニックです。 |