■染めと干しの繰り返し
柿渋染めは染めと干しを繰り返す度に濃くなって来ます。良い色を出すためには根気が必要です。
染色方法には刷毛で塗る方法と浸し染めがあります。幟の大きさ、必要な染料の量やコストの面から考えると刷毛で塗る方法が現実的です。染めムラを抑える為に刷毛で塗る前に霧吹き等を使い幟全体を軽く濡らします。染めた後は、これも染めムラを抑える為に陰干しした後に屋外に干してください。
浸し染めの場合、もちろん幟を浸すだけの量の柿渋が必要ですが洗濯機の中に浸すそうです。脱水した排水も再利用できます。専用の洗濯機が必要みたいですね。(^_^)
■染めた後の洗いは一週間経ってから
天然染料の柿渋は化学染料とは異なり直ぐには生地に吸着しません。繊維に吸着する前に流れ出ますので水通しは一週間ほど経ってからにしてください。
■染料について
当店では自然色倶楽部さんの無臭柿渋カキタフを使用しています。
幟1枚を染めるのに数回に分けて1リットルを使いきりますので染料だけで\2,000ほどかかります。
■脱色と柔軟仕上げ
漂白して染める方法もあるようですがまだ実験していませんので今度 、挑戦して結果を掲載としたいと思います。
昭和30年代以前の幟は染まりやすいそうです。近年になると染料も研究されより吸着力の強い染料が出て来て染まりにくいようです。色によっては柿渋で染めても前の色が強く残る場合があります。お話しを伺った「かみや」さんでは染色前に幟の該当する色だけお湯に付けタワシで擦って色を落とすそうです。
柿渋は風合の硬化しやすい植物染料ですので染めた後の幟にはハリが出ます。水洗いを繰り返すとある程度、柔くなりますが柔軟仕上剤を使う場合は「ユニソフナー」が植物染料の染色物に効果があります。染色材料専門店で100g、525円で販売されています。
一部重複しますが「柿渋染めについては」 柿渋染め幟のページにも詳しく掲載しています。
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